青汁と化学農薬

 「ブルーベビー症候群」とは、血中の「メトヘモグロビン」が増加することで全身が酸欠状態となり、最悪の場合死に至るという恐ろしい病です。
1945年にアメリカ・アイオワ州に住む幼児が発症した際、全身が青くなっていたことからこの名が付けられました。
 青汁は万能の健康食品として知られ、多くの病気の改善・予防に効果を持ちます。
しかし、このブルーベビー症候群に関しては例外であり、むしろ発症を助長してしまう危険を孕んでいます。

ブルーベビー症候群の原因は?

 青汁とブルーベビー症候群の関係の前に、ブルーベビー症候群の原因とメカニズムを知っておきましょう。
 ブルーベビー症候群は血中のメトヘモグロビン増加が原因で発症することから、メトヘモグロビン血症とも呼ばれます。
飲食物に含まれる「硝酸態窒素」が腸内で「亜硝酸」が増加すると、これが血中の「ヘモグロビン」が酸化されてメトヘモグロビンへと変化します。
このメトヘモグロビンは酸素運搬機能が非常に弱いため、これが増加すると全身の臓器が酸欠状態となるのです。
とくに、乳幼児はさまざまな体機能が未熟なため、メトヘモグロビンが生産されやすく、減少しにくい傾向にあります。
 つまり、「硝酸態窒素の摂取」こそがブルーベビー症候群の原因であるといえるでしょう。

青汁でなぜブルーベビー症候群?

 では、なぜ青汁がブルーベビー症候群を引き起こすのでしょうか。
それは、青汁が硝酸態窒素を多分に含んでいるためです。
その原因は「化学肥料」と「原料」にあります。
 化学肥料には主に「窒素」「リン酸」「カリ」が多く含まれていますが、中でも、窒素は植物の成長にとって必要不可欠なものです。
しかし、この窒素は植物に摂取される過程で硝酸態窒素に変化することが知られています。
そのため、化学肥料で育った植物には硝酸態窒素が多く含まれることになります。
その上、青汁の原料であるケールや明日葉などの苦味の強い野菜は硝酸態窒素を豊富に含んでいます。
以上のことから、青汁には硝酸態窒素が非常に多く含まれているのです。
 硝酸態窒素の1日の耐用摂取量は、体重1kgにつき0~5mg(体重60kgで最大300mg)とされています。
青汁を飲む際には、この基準を意識して飲むようにしましょう。

 乳幼児が青汁を飲むということは少ないかもしれませんが、大人であってもブルーベビー症候群を発症する危険性があります。
青汁は有機肥料で育った原料を使用しているものを選び、基準量を越えないように計算しながら飲むことが大切です。